DX時代の顧客ニーズに対応。
高速道路AI退出支援システム
CGSコーポレーションは、事故の起こりやすい高速道路の「工事車両の退出時」に業界初となるAIを活用した退出支援システムを導入することで、高速道路作業中のヒューマンエラーによる事故を未然に防ぎ、安心で安全な工事車両の退出を可能とした「高速道路AI退出支援システム」を2023年8月に開発いたしました。
本システム開発の経緯およびシステム概要、今後の事業展開についてご紹介いたします。
※本システムは、中国地域ニュービジネス協議会が主催する「第32回中国地域ニュービジネス大賞表彰制度」において、最高賞となる大賞を受賞いたしました。
DX時代の顧客ニーズに対応すべく開発プロジェクトに着手
弊社は、これまで45年間の歴史において、顧客ニーズに対応したサービスを提供してきました。いつの時代も顧客である建設会社様の要望は、工期を守ることと安全・安心に工事を遂行することです。そんなご要望にお応えすべく、かつては信号機を搭載した規制車両の開発を行い、近年は無線式信号機による人と機械のハイブリッド警備の実現など、それぞれの時代の顧客ニーズに対応した商品開発を行ってきました。そして今、DX時代に求められる商品は、AI技術の活用による半自動化システムの開発です。このAIを活用したシステムは、現場警備士の労働環境改善にもつながると考え、開発プロジェクトに着手しました。
産学連携で商品開発に挑む
弊社が開発した「高速道路AI退出支援システム」とは、高速道路上の工事現場から走行車線へ退出を行う工事関係車両の退出支援システムです。
これまで、工事関係車両の退出を安全に促すには、相応の車間距離を確保する必要がありました。車間距離の確認は警備士が目視で行ってきましたが、警備士の経験と感覚に頼る部分が多く、いわばアナログ警備であり、現場の警備士にとっては、極度の緊張を強いる業務の一つでした。
本システムは、①AIカメラで取得したデータをAIで解析し、クラウド上で計算、車間距離を秒数に置き換える作業を行う。
②警備士の手元に装備したスマートフォンへ、車両の画像とともに、車間距離等の情報が送られるため、目視で確認していた車間が数値化されることで、より安心して車両の誘導にあたることが可能となりました。また、高速道路は蛇行している場所もあり、目視できない現場もありましたが、AIカメラとクラウドを使用することで、通信さえ確保できれば遠隔での画像認識が可能となり、警備士のストレスは相当に緩和されることとなり、職場環境の改善につながりました。
山口大学や公的機関と連携し、産学公で共同開発
本システムは、山口大学との共同研究開発、公的機関のやまぐち産業振興財団の支援を受け、産学公連携で完成に至ったものです。特に、山口大学のAI研究の第一人者である中村教授には、AIカメラの車両認識技術において多大な協力を頂いており、現在も引き続き共同開発を進めています。
「高速道路AI退出支援システム」には、CGSコーポレーションの経験に基づくノウハウ、信頼を築いてきた顧客から提供されたデータ、それらを分析解析する知見とアルゴリズムの技術を持つ山口大学がコラボした強みがあります。
ハイウェイテクノフェアに出展し、大きな反響を得る
2023年8月に完成した「高速道路AI退出支援システム」は、2023年11月9日〜10日、東京ビッグサイトにて開催された「ハイウェイテクノフェア」に出展し、全国デビューを果たしました。2日間合計の当社ブースへの来場者は400名を超える大盛況となりました。ご来場いただいたNEXCO西日本・中日本・東日本それぞれのご担当者様、大手ゼネコン各社様、機械メーカー様、販社様からいただいた感想は、「今まで見たことのない製品」「このようなものを作ろうとしたができなかった」「ぜひ導入したい」等々の意見が多数に寄せられ、見学希望者が急増し、日々嬉しい対応に追われています。
特許取得を経て、全国の警備会社へ本システムを提供予定
現在、本システムは、山口大学との共同特許を出願中です。実運用については、鳥取県米子市内の高速道路に実装を行っております。※CGSコーポレーションは、メーカーとして現地入りを行い、使用等についての現地説明と指導を担当しています。
今後は、2023年5月に設立した「一般社団法人青ル」が、当システムの総販売代理店としての機能を持ち、これまで弊社が培ってきた全国への営業ネットワークをつなぐ役割を担います。なお、弊社CGSコーポレーションは、メーカーとしての立ち位置を確立させていく予定です。
また、システム開発は、さらなる品質向上に向けて現在も続いています。開発当初は、夜間利用はヘッドライトの反射で車両認識が困難でしたが、その改善を行い夜間利用も可能となっています。今後は、一般国道でのAIシステムの導入、さらには災害現場への汎用性も視野に入れているほか、来る完全自動運転化社会に向けて開発を重ねていく予定です。